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機能性食品素材一覧 データベース

食肉 (牛肉,豚肉,鶏肉)

牛 肉

牛 肉

豚 肉

豚 肉

青森県での生産量等

総出荷頭・羽数 
肉用牛 27,792頭
肉豚 682,109頭
ブロイラー 4,042万羽
(出典: 青森県農林水産部 令和5年 青森県の畜産,令和7年3月)

栄養成分

食肉の成分含量は、畜種 (牛,豚,鶏),品種,部位により大きく異なる。
ここでは、もも (生) の可食部100g当たりの値を示す。

[牛肉] (赤肉)
エネルギー 176 kcal,水分 67.0 g,タンパク質 21.3 g,脂質 10.7 g,炭水化物 0.6 g,灰分 1.0 g

[豚肉] (赤肉)
エネルギー 119 kcal,水分 73.0 g,タンパク質 22.1 g,脂質 3.6 g,炭水化物 0.2 g,灰分 1.1 g

[鶏肉] (皮なし)
エネルギー 113 kcal,水分 76.1 g,タンパク質 19.0 g,脂質 5.0 g,炭水化物 0 g,灰分 1.0 g
(出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

特性

日本人の食肉摂取量は、第二次世界大戦後、飛躍的に増加し、動物性食品に含まれる良質なタンパク質の摂取は日本人の長寿化に寄与したと考えられています。
しかし一方で、カロリー摂取量の増加が生活習慣病増加の一因になったことも否めず、動物性食品の適切な利用が、健康と長寿には重要です。

近年、食肉に含まれる共役リノール酸,カルノシン・アンセリン,カルニチンといった成分の生理機能が明らかにされつつあり、食肉の保健機能性が注目されています。これまで、食肉を主原料とする機能性食品は多くありませんでしたが、今後は機能性食肉製品の開発も期待されます。

また、全国各地で銘柄牛,銘柄豚,地鶏が地域の戦略的畜産物となっています。
青森県でも、八甲田牛 (和牛肉),奥入瀬ガーリックポーク (豚肉),青森シャモロック (鶏肉) などが高い評価を得ています。

主な機能

カルノシン・アンセリンによる動脈硬化抑制などが期待されます

機能性成分

ペプチド

ペプチドは、アミノ酸が2〜10個程度結合してできた化合物の総称で、タンパク質を加水分解することで得られます。ペプチドにはカルシウムの吸収促進,血圧降下に寄与するACE阻害活性,抗酸化性などの生理作用を持つものが知られています。
食肉には、抗酸化作用のあるペプチドが比較的多く含まれています。食肉を酵素分解することによって免疫調節や血圧調節などの生理活性ペプチド,抗ストレスや抗疲労作用を有する抗酸化ペプチド,ビフィズス菌増殖促進作用を有するペプチドも見出されています。
※ タンパク質は五大栄養素の1つで、筋肉,内臓,皮膚,爪,毛髪など人の身体を作るのに欠かせない栄養素で、数百個以上のアミノ酸が結合してできた高分子化合物です。

共役リノール酸

共役リノール酸は牛など反芻動物の肉や乳に多く存在する脂肪酸で、リノール酸とは二重結合の仕方が異なります。抗変異原作用,抗がん作用,体脂肪減少作用,動脈硬化予防作用,血清コレステロール低下作用,抗酸化作用,免疫調節作用などが報告されています。
北里大学附属牧場では、牛の飼育条件の検討により共役リノール酸を多く含む牛肉の生産に成功しています。

L-カルニチン

L-カルニチンは、動物の筋肉に存在する脂質代謝に必須な物質です。食肉ではとくに牛肉に多く含まれています。L-カルニチンはエネルギー産生やコレステロール低下に寄与するとともに、脂肪酸の分解を促すことで中性脂肪の蓄積も抑制します。運動時のスタミナ維持や疲労回復にも効果があることから、スポーツ飲料やダイエットサプリメントの素材としても有望です。

利活用、応用の方法、用途など

多くの食肉は、焼き肉,炒物,煮物,煮込み料理,ハンバーグや餃子などに加熱調理されます。 和・洋・中を問わず、さまざまな料理に適しています。また、ハム,ソーセージ,ウィンナーなどの加工品にも用いられます。

食肉に含まれる機能性成分は機能性食品のみならず、機能性ペットフード素材として広く利用可能です。特に、ペプチド類は嗜好性と保健機能性を備えた素材として応用範囲が広い成分です。

研究機関

北里大学獣医学部
青森県十和田市東二十三番町35-1
TEL:0176-23-4371
FAX:0176-23-8703

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