機能性食品素材一覧 データベース

カシス

カシス

カシス

カシス

カシス

学名

Ribes nigrum

青森県での生産量等

収穫量 6ン
(出典:農林水産省 令和5年版 青森県の農林水産業の概要)
主な生産地: 青森市,七戸町,十和田市

栄養成分

可食部 100 g当たり (生)
エネルギー 59 kcal,水分 82.3 g,タンパク質 1.6 g,脂質 0.0 g,炭水化物 10.8 g,食物繊維総量 4.5 g,灰分 0.8 g,カリウム 293 mg,ビタミンC 125 mg,ビタミンE 2.1 mg,クエン酸 3.69 g,リンゴ酸 0.11 g
(分析値)

特性

「カシス」はフランス語読みで、和名は「クロフサスグリ」、スグリ科スグリ属の果実です。ニュージーランドや北欧など、寒い地域に生息します。6~8月に直径1 cm弱の実をつけ、実は果肉まで濃い紫色で、爽やかな酸味と芳香が特徴です。
ビタミンC やアントシアニンが豊富で、欧米では昔からジャムや果実酒などに広く使われています。
日本では昭和40年に弘前大学の望月教授がヨーロッパから取り寄せたのが本格的な栽培の始まりで、現在、青森市は全国の生産量の約7割を占める一大産地となっています。

ブルーベリーと比べてタンパク質等は多く、抗酸化作用の強いポリフェノールは2倍、アントシアニンは3倍多く含みます。近年の研究では、カシスによって、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスの98%以上を不活性化できることがわかっています。

青森県内の主な生産地は青森市,七戸町,十和田市です。

主な機能

末梢の血流改善効果,肩こり改善効果,「クマ」の改善効果,眼精疲労改善効果などが期待されます

機能性成分

アントシアニン

アントシアニンはフラボノイドの一種で、多くの種類があります。赤から紫色の色素成分で、pHによって色調が変化する特徴があり、抗酸化作用を示します。
カシスにはアントシアニンが豊富に含まれています。特に、他の果実には余り含まれない、シアニジン3-ルチノシドとデルフィニジン3-ルチノシドが多く含まれているのが特徴です。 カシスに含まれるアントシアニンの健康機能として、末梢血流の改善効果があります。血流改善により、肩こりや冷え性の改善や、目の下の「クマ」の解消効果も期待できます。また、ピントフリーズ現象と呼ばれる眼精疲労の症状を改善する働きが報告されています。そのほかに失明の原因となる緑内障の進行の抑制効果も報告されており、目の健康維持に役立つ可能性があります。
更に、女性の更年期障害の諸症状を緩和するフィトエストロゲン作用をもつことが近年報告されました。フィトエストロゲンとは女性ホルモン (エストロゲン) と似た作用を示す植物由来成分で、大豆イソフラボンの作用として見出されました。乳がんの予防,皮膚への美容効果,血流改善などの作用が期待されています。

γ-リノレン酸

γ-リノレン酸はリノール酸から生成され、アラキドン酸へ変換されるとプロスタグランジン等のエイコサノイドの働きで脂質代謝や血小板凝集等へ作用します。
カシスから採れる油脂にはγ-リノレン酸が多量に含まれています。この脂肪酸は、母乳,ボラージオイル,カシス,月見草油などにしか見出されていない成分です。

ビタミンC

ビタミンCはプロリンを水酸化することでコラーゲンの生成に関わっており、皮膚や粘膜の健康維持に必要な水溶性のビタミンです。したがって、ビタミンCが欠乏するとコラーゲン生成が減少して組織が脆くなり、出血しやすくなります (壊血病)。また、抗酸化作用があります。
カシスには、オレンジの2倍のビタミンCが含まれています。
※  ビタミンは体の調子を整えるのに欠かせない栄養素で、13種類あり、それぞれ体内での働きが異なります。これらは各ビタミンの定められた量を含んでいれば、栄養機能食品として表示することができます。

利活用、応用の方法、用途など

ジャム,飴,ケーキなどのお菓子,ジュース,お茶,ワインなどの食品に用いられています。また、視覚改善,抗酸化作用,血流改善をサポートするためのサプリメントなどにも加工されています。

豆知識『あおもりカシスとは』

あおもりカシスは、平成27年に農林水産省の地理的表示保護制度 (GI) 登録の第1号に認定されました。GIとは地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を、品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護する制度です。 夕張メロン,松坂牛などが認定されています。青森県産品では、十三湖産大和しじみ,小川原湖産大和しじみ,浄法寺漆,つるたスチューベン,大鰐温泉もやしが登録されています。

研究機関

国立大学法人弘前大学 弘前大学研究・イノベーション推進機構
弘前市文京町1
TEL:0172-39-3911
独立行政法人国立高等専門学校機構 八戸工業高等専門学校
八戸市田面木字上野平16-1
TEL:0178-27-7223
公立大学法人青森県立保健大学 ヘルスプロモーション戦略研究センタ
青森市浜館字間瀬58-1
TEL:017-765-4085
県産素材機能性データベース (青森産技・弘前工業研究所)
こちらにも掲載されています。閲覧にはパスワードが必要なので、希望される方はリンク先のお問い合わせフォームからご登録いただくか、弘前工業研究所へご連絡ください (連絡先TEL: 0172-55-6740, メール: kou_hirosaki★aomori-itc.or.jp)(★は@に変更して送信してください)。

データベース検索

検索したい食品名や成分名を下記フォームに入力して検索が可能です。