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ナマコ

ナマコ

ナマコ

学名

Holothuroidea de Blainville

青森県での生産量等

青森県での漁獲量 693トン
(出典:令和元年 青森県海面漁業調査)
主な生産地:平内町、むつ市、横浜町

栄養成分

可食部100g当たり(生)
エネルギー 22Kcal、水分 92.2g、たんぱく質 4.6g、脂質 0.3g、炭水化物 0.5g、灰分 2.4g
(出典:日本食品標準成分表 (八訂)増補2023年)

特性

ナマコはウニやヒトデと同じ棘皮(きょくひ)動物の仲間で、世界に約1,500種、日本近海にはそのうち200種ほどが分布する。
食用になるのは、マナマコなど約30種類で、そのうち、アカナマコは沖合の砂礫に、アオナマコは内湾の泥場に生息する。
主要可食部は体壁で、アカナマコは柔らかく、アオナマコは硬い。内臓の腸は「このわた」、生殖腺は「このこ」の原料になる。

ナマコと日本人の関わりは古く、平安時代以前から食されており、古事記には「海鼠」の名で登場する。
青森県では、主に身の厚いアオナマコが捕れ、主な産地は陸奥湾全域、とくに横浜町が有名である。
ナマコ漁は10月1日から4月末までで、それ以外は資源保護のため禁漁期となっている。
漁獲量は北海道に次いで全国第2位となっており、水揚げされたナマコは、国内の生食用・加工用として消費されるほか、大部分は塩蔵や乾燥加工を行った後に主に中国向けとして輸出されており、乾燥ナマコだけでも日本全体で100億円程度が輸出されている。

中国では古くから健康食材や高級食材として珍重され、青森県の陸奥湾産ナマコは品質で世界一の評価を受けており、輸出用ナマコは「黒ダイヤ」と呼ばれ、値段が高騰している。

グロテスクな形、弾力のあるコリコリした歯ごたえと磯の香りが特徴的なナマコは、青森県では冬を代表する味覚であり、生のナマコを調理した「なまこ酢」が良く食べられている。
また、乾燥したナマコを使った中華料理や、さまざまな創作料理が作られている。

ナマコは漢方薬では、滋養強壮や皮膚病に効果があるとして古くから用いられてきた。
体の90%以上が水分で、体表は主にコラーゲンから成る厚い体壁に覆われている。
また、サポニンの一種であるホロトキシンという成分は水虫を起こす白癬菌の成長を抑制し、殺菌効果もあることから、水虫の治療薬にも応用されている。
このほかにも、コンドロイチン硫酸をはじめ、さまざまな成分の報告が有り、機能性や利活用についての研究が進められている。

主な機能

殺菌効果、補腎強壮効果、肝機能改善、美肌効果、アンチエイジング効果、関節痛改善、乾燥肌改善

機能性成分

コラーゲン

コラーゲンは、動物の体中にもっとも多く含まれるタンパク質で、生体の全タンパク質の20~30%を占めている。その内、40%は皮膚に、20%が骨や軟骨に含まれ、その他は、血管、内臓などに広く分布している。コラーゲンは体や臓器の形を支える構造材として働いている。人の体内では、常にコラーゲンの分解と合成が繰り返されており、年をとると、このバランスがくずれ、分解のほうが早くなる。これは老化現象の一つでコラーゲンが柔軟性を失うとしみやしわが発生したり、関節や骨の痛みの原因になることがある。

ホロトキシン

ホロトキシンはサポニンの一種で、強い防カビ作用を持ち、白癬菌を原因とする水虫やタムシの治療薬として実用化されている。

※サポニンは、多くの植物や一部の棘皮動物に含まれる配糖体の一種で、水に混ぜると泡立つ性質があり、石鹸のラテン語「sapo」と語源が同じである。

コンドロイチン硫酸

コンドロイチン硫酸は、動物の粘質性分泌液から得られる多糖の一種で、タンパク質と結合した状態で存在している。

利活用、応用の方法、用途など

生のナマコを下処理し、薄く切って二杯酢、三杯酢で食べるのが一般的でおいしい。

ナマコの腸を塩漬けした「このわた」は日本三大珍味といわれている。ナマコの卵の塩辛は「このこ」といい、どちらも取れる量が少ないため珍味とされている。

このほか、近年、さまざまな創作料理や加工品が開発されている。

乾燥ナマコは、高級食材として中国料理に用いられている。

また、ナマコのエキスを配合した石鹸も商品化されている。

弘前大学では弘前大学農学生命科学部「ナマコ研究センター」の監修でオリジナルキャラクター「namaco」を作り青森県産ナマコPRを行っている。

研究機関

国立大学法人弘前大学 弘前大学研究・イノベーション推進機構
青森県弘前市文京町1
TEL:0172-39-3911

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