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サケ鼻軟骨

サケ鼻軟骨

サケ鼻軟骨

学名

Oncorhynchus keta

青森県での生産量等

不明

栄養成分

サケ鼻軟骨 可食部100g当たり
エネルギー 21Kcal、水分 95.3g、タンパク質 2.4g、脂質 0.9g、炭水化物 0.9g
【その他成分】ヒドロキシプロリン 0.13g(試験依頼先:財団法人日本食品分析センター)

サケの主な生産地:東通村、八戸市、三沢市

特性

サケの頭部は、これまでほとんど廃棄処分されていたが、サケ鼻軟骨は、氷頭(ひず)と呼ばれ、青森県や北海道などでは「氷頭なます」という郷土料理として古くから食されてきた。
平安時代前期に朝廷から出版された「延喜式」(926年)の中にも、朝廷への氷頭の奉納の記述があり、古来からの豊富な食経験を持っている。
このサケの鼻軟骨には、動物の軟骨の主成分であるプロテオグリカンが豊富に含まれている。
プロテオグリカンは、以前はウシやニワトリを原料として抽出されていたが、非常に高価なため、昨今、簡易に大量抽出できるサケの鼻軟骨部分が注目されている。

プロテオグリカンは、保湿性に優れアンチエイジングの効果も期待でき、経口摂取が可能なことから人体にきわめて安全な素材であるとされ、化粧品や機能性食品などに加工されている。また、医薬品への応用も期待されている。

主な機能

上皮細胞増殖因子(EGF)様作用、コラーゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、皮膚の水分保持効果、関節の潤滑・緩衝作用、メタボリックシンドロームの改善効果、免疫活性化作用

機能性成分

プロテオグリカン

プロテオグリカンは、タンパク質と糖鎖が共有結合した複合糖質の一種である。コラーゲンやヒアルロン酸と並ぶ動物の軟骨の主成分で、保湿性に優れアンチエイジングの効果も期待できる。人体にきわめて安全な素材であるとされ、化粧品や機能性食品などに加工されている。

プロテオグリカンは身体の至る所に存在し、特に軟骨、骨、皮膚、腱、脳、血管壁等に多く含まれている。身体の中での役割は、皮膚の水分を保持し、関節の潤滑作用や緩衝作用など、関節の動きを良くする働きをしている。

最近では、細胞の増殖や分化に直接かかわっていることが明らかとなり、再生医学や組織工学の分野でも注目を集めている。また、メタボリックシンドロームの改善効果、免疫調節作用およびEGF様作用(上皮細胞を再生させる因子)を示すなど、プロテオグリカンの多様な働きが明らかになるにつれ、応用分野の広い素材として期待が高まっている。

利活用、応用の方法、用途など

サケ頭部にある鼻軟骨(氷頭)は、薄切りにして大根と合わせ、塩、酢、調味料で和えた「氷頭なます」という郷土料理として、正月の祝い膳などで食されている。
そのほか、鮭のアラ煮(サケの骨、頭など身以外の部分を煮たもの)などの調理法がある。弘前大学では民間企業との共同研究により、サケ鼻軟骨から高純度かつ大量にプロテオグリカンを生成する技術を確立している。

抽出されたプロテオグリカンは、皮膚に対して必要な保水効果の高い化粧品、石鹸、りんご酢、生姜糖、健康ドリンクなどの健康食品に配合されたりと幅広く利用されはじめている。さらに、変形性関節症等の予防への効果が期待されている。

弘前大学医学部と株式会社角弘(青森市)との共同研究で、サケ鼻軟骨から高純度かつ大量にプロテオグリカンを生成する技術を確立している。(特許第3731150号)

この技術の抽出試薬は酢酸、エタノールで、製品はきわめて安全な素材で、経口摂取可能、大量抽出や高純度・低価格が可能、といった特徴がある。

さらに弘前大学では、プロテオグリカン含有新素材の低価格化研究により、脂質含有量が極めて少なく、天然型プロテオグリカンの分子量を保持し、食品用途に応じた純度を有する製品作成が可能な技術を確立している。(特願2008-11296)

研究機関

国立大学法人弘前大学 弘前大学研究・イノベーション推進機構
青森県弘前市文京町1
TEL:0172-39-3911

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